「平に伏してお願い申し上げます」意味と使い方

導入部

「平に伏してお願い申し上げます」という言葉を聞いたことはありますか?時代劇などで耳にしたことがあるかもしれませんが、現代のビジネスシーンではあまり使われない表現ですよね。しかし、意味を理解し、適切な場面で使うことができれば、あなたの言葉遣いをより豊かにし、相手に深い敬意を示すことができます。

この記事では、「平に伏してお願い申し上げます」の意味から使い方、注意点までを徹底解説します。この記事を読めば、あなたもこの古風で美しい表現を使いこなせるようになるでしょう。

「平に伏してお願い申し上げます」の意味とは?(言葉を分解して解説)

まずは、「平に伏してお願い申し上げます」という言葉を分解して、それぞれの意味を確認していきましょう。

「平に」の意味

「平に」は、「平静に」「穏やかに」という意味の他に、「ひたすらに」「全く」という意味合いがあります。ここでは、「ひたすらに」「心から」という意味で捉えるのが適切です。

「伏して」の意味

「伏して」は、「地面にひれ伏す」という意味です。相手に敬意を払い、謙虚な姿勢を示す言葉です。

「お願い申し上げます」の意味

「お願い申し上げます」は、相手に何かを依頼する際に使う丁寧な表現です。

全体としての意味

これらの意味を総合すると、「平に伏してお願い申し上げます」は、「ひたすらに、ひれ伏すほどの気持ちで、お願い申し上げます」という意味になります。つまり、相手に最大限の敬意を払い、切実な思いで依頼する時に使う言葉なのです。

「平に伏してお願い申し上げます」を使う場面(ふさわしい場面とは?)

「平に伏してお願い申し上げます」は、非常に丁寧な表現であるため、使用する場面は限られます。

ビジネスシーンでの使用例

  • 社長や会長など、目上の人に特別な依頼をする場合: たとえば、会社の存続に関わるような重要なプロジェクトへの協力を依頼する場合などに使用できます。
  • 取引先に対して、特別な配慮をお願いする場合: たとえば、納期をどうしても遅らせてほしい場合や、通常ではありえないような無理な要望を聞き入れてほしい場合などに使用できます。
  • 謝罪と共にお願いをする場合: 重大なミスをしてしまい、相手に多大な迷惑をかけた場合に、心からの謝罪の気持ちを伝えるとともに、何らかの対応をお願いする際に使用できます。
  • フォーマルな場面での使用例

  • 手紙や挨拶状: 結婚式の招待状や、お祝いのお礼状など、かしこまった場面で使用できます。
  • スピーチ: 重要な式典やイベントでのスピーチで、聴衆に対して敬意を示すために使用できます。
  • 避けるべき場面

  • 日常的な業務連絡: 同僚や部下への指示、簡単な依頼など、日常的な業務連絡には不向きです。
  • 親しい間柄の人への依頼: 家族や友人など、親しい間柄の人に対して使うと、かえって不自然に感じられることがあります。
  • カジュアルな場面: 飲み会やパーティーなど、カジュアルな場面には全く適していません。
  • 「平に伏してお願い申し上げます」の使い方と例文(場面別)

    実際に「平に伏してお願い申し上げます」を使う場合の例文を、場面別に紹介します。

    メールでの使用例

    件名:〇〇プロジェクトへのご協力のお願い

    〇〇株式会社 〇〇様

    いつも大変お世話になっております。株式会社△△の□□です。

    さて、突然のご連絡失礼いたします。

    現在弊社では、〇〇プロジェクトという、弊社の将来を左右する重要なプロジェクトを進めております。

    つきましては、〇〇様におかれましては、長年培ってこられたご経験と知識をお持ちでいらっしゃいますので、本プロジェクトにぜひともご協力いただきたく、平に伏してお願い申し上げます。

    ご多忙中、大変恐縮ではございますが、何卒ご検討いただけますようお願い申し上げます。

    敬具

    株式会社△△
    □□

    手紙での使用例

    〇〇様

    時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

    平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

    さて、この度、〇〇様のご令息様のご結婚、誠におめでとうございます。

    心よりお祝い申し上げます。

    つきましては、ささやかではございますが、お祝いの品をお贈りさせていただきたく、平に伏してお願い申し上げます。

    今後とも末永くお幸せにお過ごしください。

    敬具

    □□

    口頭での使用例 (稀なケース)

    口頭で「平に伏してお願い申し上げます」を使うのは非常に稀なケースです。時代劇のような状況を想像してください。

    「〇〇様、どうかこの件、何卒お許しいただきたく、平に伏してお願い申し上げます。

    使う上での注意点(失礼にならないために)

    「平に伏してお願い申し上げます」は、使い方を間違えると、かえって相手に不快感を与えてしまう可能性があります。以下の点に注意して使用しましょう。

    相手との関係性

    相手との関係性を考慮し、本当にこの言葉を使うのが適切かどうかを判断しましょう。親しい間柄の人や、フランクな関係性の人に対して使うと、かえって不自然に感じられることがあります。

    依頼内容の重要度

    些細な依頼や、日常的な業務連絡には不向きです。会社の存続に関わるような重要な依頼や、相手に多大な負担をかける可能性のある依頼など、本当に切実な思いを伝えたい場合にのみ使用しましょう。

    現代的な言い換え表現との比較

    「平に伏してお願い申し上げます」は、現代のビジネスシーンではあまり使われない表現です。そのため、相手によっては、古めかしい印象を与えてしまう可能性があります。

    相手がどのような言葉遣いを好むのか、どのような表現がより適切なのかを考慮し、現代的な言い換え表現を使うことも検討しましょう。

    現代的な言い換え表現の例:

  • 「大変恐縮ですが、何卒ご協力をお願いいたします。」
  • 「誠に恐縮ではございますが、ご検討いただけますと幸いです。」
  • 「重ねてお願い申し上げますが、何卒よろしくお願いいたします。」
  • 「平に伏してお願い申し上げます」に関するQ&A(よくある質問)

    Q:目上の人に使っても失礼にならない?

    A:基本的には、目上の人に使うのは問題ありません。ただし、相手との関係性や、依頼内容の重要度などを考慮し、本当にこの言葉を使うのが適切かどうかを判断する必要があります。

    Q:現代的な言い換え表現は?

    A:現代的な言い換え表現としては、以下のようなものがあります。

  • 「大変恐縮ですが、何卒ご協力をお願いいたします。」
  • 「誠に恐縮ではございますが、ご検討いただけますと幸いです。」
  • 「重ねてお願い申し上げますが、何卒よろしくお願いいたします。」
  • Q:この言葉を使った依頼を断られた場合は?

    A:依頼を断られた場合は、相手の意向を尊重し、無理強いしないことが大切です。感謝の気持ちを伝え、別の方法を検討しましょう。

    まとめ

    「平に伏してお願い申し上げます」は、非常に丁寧で、相手に深い敬意を示すことができる言葉です。しかし、使用する場面は限られます。この記事で解説した内容を参考に、意味を理解し、適切な場面で使うように心がけましょう。

    この言葉を使いこなすことができれば、あなたの言葉遣いはより豊かになり、相手との信頼関係を深めることができるでしょう。